とどかない
『ご機嫌斜めですねぇ』
「そう思うなら何とかしようと思わないのかね」
『あはは、無理です』
「努力くらいしたまえ」
『無理なもんは無理です』
「ハボック…」
『だって、俺だってアンタに触れなくてイライラしてますもん』
「……」
『ねぇ、大佐?それでも俺はアンタの声を聞いてると落ち着くんですけど、アンタは違いますか?』
「…違う」
『ふうん』
「逢いたくなる」
『それは光栄っすねぇ』
「早く帰って来い」
『…努力はしてみます』
「うむ」
『ねぇ』
「なんだ」
『いっそ、テレフォンセックスでもしてみます?』
「…っ!二度とかけてくるな!馬鹿者っ!」
ガシャンッ。
勢い半分で切ってしまって。
それでも帰ってくるなと言えない自分に苦笑した。
※元ペーパー用SSS。
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